なぜ「手書き」で伝えたくなるのか?

ひとり起業家としてセミナーを開催した経験のある方なら、「スライドがうまくまとまらないな…」と感じたことがあるかもしれません。
また、実際に話している中で「この説明、ちょっと難しいな」と思ったことはないでしょうか。
14年間教員をしてきた私自身、「限られた時間の中で、どうやってわかりやすく伝えるか?」を常に意識してきました。
そして、その経験から手書きを使った説明の有用性を強く感じています。
スライドだけでは伝わりにくい場面がある
セミナーでは「スライドを作って、それに沿って説明する」のが定番とされています。
確かに、会社でのプレゼン経験がある方にとっては、それが当たり前かもしれませんね。
ですが、プレゼンのように”説明する”、”伝える”だけでなく、”教える”、”目の前の相手の悩みにあった解決策を提示する”といったことが目的である場合はどうでしょうか?
どんなに入念に準備をしていても、参加者の反応や質疑応答の場面で「用意したスライドだけでは補いきれない」ということもあるはずです。
そんなとき、もう少し自由度の高い“見せ方”があるといいなと思いませんか?
リアルタイムで「書いて見せる」のが一番わかりやすいことも
セミナーでは、視覚的に情報を伝えられるだけで、理解度がぐっと上がります。
質問があった場合には、その場で「手書きで説明」できると、受講者の反応も格段に良くなります。
用意された資料に加えて、その場で必要な図や言葉を書き足せるのは大きなメリットです。
私自身、教員時代の授業でも、板書を通してその場の空気に合わせて伝え方を変えていました。
スライドに書いてあることを指差しながら説明されるよりも、講師が書きながら説明してくれる方が、受講者も講師と一緒に進めていっている感覚がありませんか?
リアルタイムに「書いて伝える」ことができると、より丁寧で伝わるセミナーになるんです!
Zoomのホワイトボード、正直ちょっと使いにくい…
Zoomを使ったオンラインセミナーなら、「視覚的」「手書き」で伝えるための工夫として「ホワイトボード機能」の活用が考えられます。
ですが、このホワイトボードはマウスやトラックパッドで書かなくてはならず、リアルのホワイトボードとは使用感が全く異なるもの。
滑らかに書けず、伝えたいことを柔軟に表現するには少し物足りないと感じています。

読めないことはないですが、
書くのに時間がかかるのがネックです。
ZoomでiPadをホワイトボード代わりに使う方法

ここからは、スライドだけに頼らず「手書き」で伝えるためにiPadの手書き画面をZoomに画面を共有する方法をご紹介します!
iPadをお持ちの方は、ぜひ一度試してみてくださいね。
おすすめiPadアプリはGoodNotes
まず、iPadにApple Pencilで文字を書く環境を整える必要があります。
そのためには「iPad上で直接手書きできるノートアプリ」が必要。
もちろん、アップル純正のメモ帳アプリなどでも代用可能ではりますが、おすすめは、Goodnotes。

iPadでノートアプリを探すと必ずと言っていいほど上位に出てくる定番のノートアプリです。
書き心地が良く、操作も直感的。
色やペンの種類も豊富ですし、投げ縄ツールなど基本的なツールも網羅されていて、これ一つで十分な機能を備えています。
有料ではあますが、手頃な価格帯で使えるのもありがたいところ。
教員時代に行ってきた、「説明しながら、ストレスなく書く」を叶えることができる理想のアプリです。

手書きのノートに関しては
これ一つあれば十分かと思います。
MacとiPadでZoom画面を共有する方法
ZoomでiPadの画面を共有するには、まずMac側でZoomを開いて画面共有の操作をします。
「詳細」タブにある「iPhone/iPad(AirPlay使用)」を選択すると、iPad側での操作案内が表示されます。

最初にこの画面が出ると思います。
ここで、右上にある「詳細」をクリック。

「iPhone/iPad(AirPlay使用)」
をクリック。

画面に表示されている通り、
MaciとPadは
同じWiFiに繋いでおく
必要があります。
Macに表示されている通り、iPadでコントロールセンターを開き「スクリーンミラーリング」をタップしてZoomを選択すると…

ミラーリングされました!
あとはiPad上でGoodnotesを開いて書くだけで、Zoom参加者に手書きしている様子をリアルタイムで見せることができます!
WindowsとiPadならLetsViewも便利!
Macを使っていない方には、LetsViewというアプリの利用がおすすめ。

これは、iPadの画面をPCにミラーリングできるアプリ。
今回はWindowsユーザーさん向けにご紹介していますが、Macでもつかうことができます。
無料と有料があるので、まずは無料で使い勝手を試してみてくださいね。
こちらのアプリでiPadの画面をPCにミラーリングした後、そのウィンドウをZoomで共有すれば、Macと同様に手書きの様子を共有することができます。
(ちなみに実験はできていませんが、LetsViewはAndroidにも対応しているようです。「iPadは持ってないけどAndroidのタブレットはある!」という方は、そちらの画面をPC上にミラーリング&Zoomで共有することも可能かと思います)
書きながら伝えるときのちょっとしたコツ

「字が読みにくい」を防ぐレイアウトと色使い
GoodNotesはペンの色数が豊富ですが、セミナー中に色を使い分けるのは意外と面倒なもの。
特に、喋りながら書くときに配色にまで気を取られていると、伝えることより「美しいノートを見せること」に意識がいって本来の目的を見失うことにもなりかねません。
文字は黒+赤など2色程度に絞ることが、伝えやすく、かつ見やすくするコツ。
これは教員経験を元に実感していることですが、「この文字はなんで別の色で書いたんだろう?」と思わせてしまうと、それだけで受講生の集中は途切れてしまうものです。
”シンプルに伝える”ことを、大切にしましょう。
スライド+手書きのハイブリッドもおすすめ
GoodNotesにはあらかじめノートのフォーマット(罫線、方眼、無地、など)が用意されていますが、自分で用意したPDFを取り込み、そこにペンで記入していくことも可能。
つまり、スライドを作った後にそれをGoodNotesに取り込んでおけば、セミナー中にスライドに書き込みながら説明をすることができるようになります。
これなら、必要な情報だけを書き足せば良いのでとても効率的。
ノートとスライドをいったりきたりする必要もないので、とてもスマートに、ストレスなくセミナーを進めることができます。

セミナー中は手書きで文字を書き込むと
グッと伝わりやすくなります!!
さらに、私がよく使うのがCanvaでセッションシートのフォーマットを作成し、そこに書き込むスタイルで個別セッションを行うこと。
セッション終了後は書き込んだシートをそのままクライアントさんにお渡しすることもできるので、とても便利です。

この他に、カレンダーなども用意しています。
フォーマットがあると進行が
とてもスムーズになるのでおすすめです◎
まとめ|自分に合った「伝え方」で講座をもっとラクに

スライドだけじゃ伝わらない“リアル感”は手書きで補える
スライド中心のセミナーは、つい文字を読み上げる形になってしまいがち。
あまりにスライド頼みになってしまうと、「これなら動画講座でもよくない?」と思われてしまうこともあるかもしれません。
だからこそ、リアルな講座ではその場で参加者に合わせて補足する柔軟さが大切です。
そうした“生きたやりとり”を補うのに、手書き共有は非常に相性が良い方法だと感じています。
無理にスライドにこだわらず、自分らしい見せ方を見つけよう
スライドを完璧に作り込むことが、必ずしも良いセミナーにつながるとは限りません。
特に、オリジナルの講座を自分の言葉で伝えたい場合は、”きれいな資料より「伝わりやすさ」”が重要。
整ったスライドは「複数人が、同じ質の講座を開講する時」や「受講生が多い時」には役立ちますが、個人でオリジナルの講座を作ったり、顧客一人一人に個別対応することが多いひとり起業家さんはその限りではありません。
手書きを組み合わせることで、「自分らしい見せ方、伝え方」を工夫をしてみてはいかがでしょうか。